kmpen148のいろいろ

日常生活の雑感を書き出しています。備忘録的役割。

FA移籍前後の球団所属年数に関する集計

先日、FA宣言していた美馬選手と鈴木大地選手にお断りされて、7年ぶりにFA補強なしとなった巨人ですが、早速バリバリのメジャーリーガーであるジェラルド・パーラ選手と契約を結び、着々と来季への補強を進めています。


さて、今回はシーズンオフに毎年何かと話題になる「FA」について、自分の考えをまとめる意味でもつらつらと書いていきたいと思います。なお、以降は敬称略とさせていただきます。

巨人はここ3年だけを見ても、2016年オフには山口俊、陽岱鋼森福允彦の3人、2017年オフには野上亮磨、2018年オフには丸佳浩炭谷銀仁朗の2人とFA市場に参戦して選手を獲得してきました。
その度に「強奪だー」「金満だー」「欲しい欲しい病だー」なんてもはや悪者のような扱いを受けるという一連の流れを「あぁ、今年も始まったなぁ」なんてコタツで温かいお茶を飲みながら観察していました。

しかし、その一方で、FA移籍を決意した選手に対しても心無い批判が多く、昨年で言えば丸が移籍か残留かで悩んだ結果巨人を選んだことに対して、ネットでは「やっぱり金か」とか「悩んでいるのは演技でしたね」とかそりゃもう酷かったですよ。

私としては「そりゃーお金は大事でしょ」(昔、「おかねはだいじだよー♪」なんて歌っているCMがありましたね。)と思うのですが、プロ野球選手は「ファン」というある意味特殊な存在がいるので一般のビジネスマンのように率直に「給料の高い会社に転職します!」なんて言えないんだろうなぁ……と。

極端な例かもしれませんが、今いる会社でそれなりの仕事を任されていて上司からも評価されているにもかかわらず、経営難だから月15万円の給料しかもらえていなかったところに、別の会社から「あなたを評価しているので今よりも重要な仕事を任せたい。給料も今の3倍の月45万円を出しますよ。」なんて条件を出されたら、心が動くと思うんですけどね。

その一方で、よく「チーム愛」を理由に「このチームを離れることは考えられない」と残留を決める選手も多いですが、それはそれで日本の文化らしくて非常に素晴らしいことだと思っています。ただ、それと同じように「お金」が理由でも良いのではないでしょうか。というか、「優勝争いがしたい」とか「地元でプレイしたい」とか移籍したい理由なんて別に何でも良くて、選手の人生なのだからその決断に外野がとやかく言うこともないよなぁ、と常々感じてはいます。

そもそもFA権は選手がそれまで一定の活躍をしてきたからこそ取得できるもので、選手にとっては栄誉みたいなもののはずです。だから、本来はもっと明るい話題だと思うんだけどなぁ…。これは私がネットばかりで情報を見ているからそういう批判のような声についつい目が行ってしまうというのもあるかもしれませんが。


ところで、移籍を決断した選手にとっては基本的にはそれまで以上の活躍が求められている一方で、年齢的には徐々に体力等が衰え始める30歳前後、時には30歳半ばであることが多いので、非常にハードな面もあります。

FA権の取得には「出場選手登録(一軍登録)」の日数が一定以上必要で、FA制度設立から二度ほど改正があり、現行制度では高卒が8年、大卒・社会人卒が7年で国内FA権、一律9年で海外FA権を取得することができます。
しかし、これはあくまで最短の年数なので、実際には10年近くかけて取得するということが多いように思えます。

と、まぁ、印象だけで語るのもあれなので、この年数については自分なりに集計してみたことも交えながらお話しします。


集計した主なものは「FA移籍前の球団所属年数」(複数所属及び宣言残留の場合は合算)と「FA移籍後の球団所属年数」で、FA移籍を2回している選手はそれぞれ独立させて集計し、国内移籍のみを対象としました。
ちなみに、参考にしたのはWikipediaです。

国内移籍をした選手の延べ人数は93人で、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11.7年でした。その中で10年以上所属していた選手は75人もいます。ただし、過去に宣言残留している選手や取得しているFA権を行使せずに持ち越している選手の年数も合算しているため、必ずしもFA権初取得までの年数というわけではありません。

そして、「FA移籍後の球団所属年数」の平均年数ですが、現役選手及び戦力外未所属選手(引退表明していない選手)を除くと約4.3年でした。まぁ、その除いた選手を含めても約4.1年なのでそんなに変わらないです。

こうしてFA移籍前後の球団所属平均年数だけを見ても、FA移籍後の球団には移籍前の球団の半分の年数も所属していないことになります。
なお、半数年以上の所属をしていた選手は延べ24人でしたが、例としては駒田徳広(巨人13年→横浜7年)、和田一浩(西武11年→中日8年)、内川聖一(横浜10年→ソフトバンク9年)などが挙げられ、唯一谷繁元信だけは横浜13年→中日14年と移籍後の所属年数が移籍前の所属年数を上回っています(しかも一度宣言残留をしている上での移籍なので余計にすごい!)。
逆に、金村義明近鉄13年→中日2年)、若田部健一ダイエー11年→横浜3年)、門倉健(中日など11年→巨人2年)など移籍後の球団に数年しか所属しなかった選手も多くいます。

データ化してみても分かるように、FA移籍するまでに11年以上(多いと19年という例もあります。)が経過しており、やはり移籍をする頃には30歳前後となります。もし社会人卒であれば30代半ばということも。
なお、現行制度になった2008年以降に絞ってみても、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11.3年で、やはりFA移籍するまでに11年近くを要していることになり、30歳前後での移籍が多くなっているのが現状です。

今オフで引く手数多状態の福田秀平も高卒ではありますが、入団から数年はほとんど一軍登録がなかったため、13年かけてやっと取得したという状況です。

現状のFA制度の是非や選手間の評判的にはどうなのかは分かりませんが、私としては移籍そのものはもっと活性化してもいいと思っているくらいなので、取得までの年数や条件をもう少し緩和するのもありなのかなー、と。特に大卒・社会人卒は高卒の選手よりも4年くらい遅れて入団することになるので、取得までの年数を5〜6年に短縮してもいいのかな……なんて思うんですけどね。

今回の話をまとめますと、

①FA移籍の理由なんて何でもいいよね。
②FAは選手の栄誉みたいなものだから明るい話題であってほしい。
③でも、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11年で、30歳前後、時には30代半ばでの移籍が多い。
④30歳を越えると徐々に体力等衰えていくから、移籍前以上の成績を残すのはなかなか大変そうだなぁ。

ということになります。


もちろん、順調にFA権を取得しても行使せずに何年か持ち越した上で行使しているパターンも多くあるので、必ずしも11〜13年目でFA権初取得という選手ばかりではありません。そういう例が移籍前の平均年数を押し上げているという状況もあるかもしれません。
この辺については集計しきれなかった部分ではあるので引き続き細かく集計してみたいとは思いますが、ひとまず今回の集計を通じて、FA移籍前後の球団所属年数の傾向はなんとなーく読み取れたかと思っています。


最後に1つだけ添えておきたいことは、今回はあくまで「年数」に焦点を当てて集計しただけなので、「移籍後の所属年数が短い=成績不振」とまでは言えません。これについてもまた自分なりに集計してみたいなーと思っています。


今回はこんな感じです。