kmpen148のいろいろ

日常生活の雑感を書き出しています。備忘録的役割。

電子書籍を使い始めた頃は青空文庫を読んでいました

 先日、瀬尾まいこ氏の『図書館の神様』の感想を書きました。その中では触れなかったのですが、作品の中で主人公の早川清と垣内君のこんなやり取りがあります。

 「部長、夏目漱石のいい話ない?」
 「どうしたんですか、突然。まさか文学に目覚めたとか」
 「残念ながら、まだ文学には目覚めてはいないんだけど。あのね、二年生の授業で『こころ』が出てくるんだけど、つまらないから他の作品に替えようかなって思って」
 「つまらない? そういう私情を文学に挟むのはよくないですよ。『こころ』は名作です」
 「じゃあ前言撤回。『こころ』っていうの、授業でするには長すぎるの。だから教材替えたいんだ」
 「そうですか。……じゃあ、『夢十夜』はどうですか? 夢の話が十個分載っているんです。一夜ごとに話が分かれてるから、好きなものを選りすぐって授業に使えますよ」
 「そりゃ、便利で面白そうな話だね」
 「ええ。きっと面白いです」
 垣内君はそう言って、夏目漱石全集の一冊を渡してくれた。
 「ありがとう。今、初めて文芸部の顧問でよかったと思った」
 「お役に立てて光栄です」
 垣内君が言った。

瀬尾まいこ『図書館の神様』ちくま文庫、2009年。)


 私の中には『こころ』が授業で取り上げられた記憶すらないのですが、教科書に載っている夏目漱石作品と言ったら『こころ』か『坊っちゃん』なんだろうなーくらいの印象です。また、私自身、夏目漱石作品は一切読んでいないので、『夢十夜』は聞いたこともありませんでした(と言っても、この『図書館の神様』は過去に一度読んでいるので目にしているはずなんですけどね……)。

 『夢十夜』がどのような内容なのかちょっと気になったので青空文庫のものをダウンロードして読んでいます。正直なんだかよく分からんですね。


 ま、それは置いといて、ご存知の方は多いと思いますが、青空文庫って結構便利でして、私もたまに利用しています。特に電子書籍リーダーを使い始めた頃は青空文庫の作品ばかり読んでいましたね。

 というのも、今でこそ電子書籍には何の抵抗もありませんけど、と言うよりもむしろ電子書籍ばかり読んでいますが、やっぱり使い始めた頃は「不具合ばかりだったら嫌だな」とか「やっぱり電子書籍は合わないわ」ってなってしまう恐れもあってなかなか電子書籍を購入する決心がつかなかったんですよね。

 そんな状況だったので、とりあえず「電子書籍に慣れる」ために青空文庫の中から知っている作品を探し出して読み続けていました。その頃は「Doly」のみを使っていたのでヨドバシ.comで検索すればちゃんとDolyに合ったフォーマットのものがダウンロードできます。ちなみに、Amazonにも、楽天ブックスにもちゃんとありますし、青空文庫のホームページならブラウザ上で読めるので電子書籍リーダーそのものも不要です。


 私としてはもし周囲に電子書籍を利用するか迷っている方がいたら、とりあえず青空文庫を利用してみることをおすすめしようかなとは思います。

 まず何よりは「無料」ってことが有り難く、読み辛ければやめてしまっていいし、逆に気になる作品は手当たり次第ダウンロードしてストックしておくことも可能ですからね。

 あとは作品の多さでしょうか。公開されている作家リストを貼っておきます。
www.aozora.gr.jp

 公開されているのは著作権が切れている作品なので年代的には多少古めかもしれませんが、夏目漱石芥川龍之介を始めとするいわゆる著名作家の作品も数多くあるし、一方で「え、どなたですか…?」みたいな今まで名前を聞いたことないような作家の作品もあるから新規開拓もできるし、さらには海外文学もあって選択肢の幅は非常に広いと思います。
 私は紙書籍でも持っているカフカの『変身』とかスティーブンソンの『ジーキル博士とハイド氏の怪事件』あたりを読みました。

 まぁ、経済的な側面を考えるとそりゃ出版社から販売されているものをちゃんと買った方がいいのだろうけども、「電子書籍に慣れる」という点からすれば青空文庫は最適だと思います。


 今回はこんな感じです。

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