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【感想】『読書する人だけがたどり着ける場所』

読了:齋藤孝『読書する人だけがたどり着ける場所』ソフトバンク新書、2019年。

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 以前からタイトル的にちょっと気になっていたのですが、楽天の有効期限間近の期間限定ポイントがそこそこ貯まっていたのと、ちょうど半額セール対象になっていたのとで買ってみました。
 著者の齋藤孝氏は他にもたくさんの本を書いていますし、メディアにもよく登場される有名な方ですが、齋藤氏の著書を読んだのは初めてかもしれません。

 読書の楽しみや効用について、私はこれまでも繰り返し語ってきました。
 いつの時代も、読書は素晴らしいものです。思考力を伸ばし、想像力を豊かにし、苦しいときも前進する力をくれる。自己を形成し、人生を豊かにするのに欠かせないのが読書です。その価値はずっと変わらないのですが、あえて「いまこそ」と言いたいと思います。
「本を読まなくなった」とはずいぶん前から言われていることです。もう耳にタコができているという人もいるでしょう。
 それで耳が痛いというならまだいいですが、「それがどうかしましたか?」と開き直っている人があまりにも多い印象です。


 冒頭はこのように始まります。そして、インターネットで十分という意見がある→インターネットでは「読者」ではない→表面をなぞるだけなので「浅い」→一方で読書をすることは「深い」、みたいに続いていくので、正直この調子で続くなら途中で読むのをやめようと思っていました。


 しかしその辺はさすが齋藤氏と言うところでしょうか。決して頭ごなしにインターネットを批判しているわけではありませんでした。


 「読書で思考力を磨く」という節では、まぁ、見出しのごとくただ読むだけではなく内容を自分に引き付けて考え、「思考を深める」ことが大切だということが述べられているのですが、それには「対話」が重要と書かれています。

 思考を深めるには、対話をするのが一番。
 だからおすすめしたいのは本を読んだら人に話すことです。話しはじめれば何か言わなければと思考が動き出します。相手から質問をされたり、違った理解の仕方を提示されればさらに考えが深まります。


 この語る相手がいない場合は、インターネット上のレビューを読むことを勧めており、それらレビューに対して「そうそう」だとか「いや違うでしょ」だとかツッコミを入れることでも思考は深められる、と。
 また、齋藤氏自身も大量にレビューを読んでいるそうですが、良質なレビューもあるということで、こうしたインターネットの活用も提示しています。


 この他にも、いわゆる「読書論」の中では割と批判されがちなマンガについても肯定的な見解を示しています。

 私は漫画も大好きでたくさん読みます。
 本か漫画か、ということではありません。orではなく、andです。本も漫画も読めばいい。読書量が多い人は漫画も大量に読んでいる傾向にあります。本を読める人は集中力が続くので、漫画も大量に読むことができるのです。
 本が一つのワールドをつくっているのと同じように、漫画も映画やドラマもそれぞれのワールドがあります。すべて違った特質を持っています。ですから、それをすべて楽しめばよいと思います。
 私は小説が映画化されれば観に行きますし、映画で観たものの原作を読むこともします。漫画が原作でドラマ化されるケースも多いですね。私はどちらも見て「なるほど、この漫画がこうやってドラマになるのだな」「この難しいシーンをこうやって撮るのだな」などと感慨を覚えています。
 本、漫画、ドラマ、映画にそれぞれ入り込みつつ、グルグル回して深めていくのです。


 これについては本当にそう思いますね。小説、マンガ、映像のどれか1つだけでは思考が深まらなかった部分を他の角度から見ることでもう一歩進めることだってあるわけですから。


 総括しますと、正直、あまり目新しいことは書かれていなかったように思えます。結局のところ、「読書」について世間的にもよく言われていることを齋藤氏自身の言葉、経験、事例で分かりやすく説明しているだけの印象を受けました。

 しかし、私自身そういった類の話はネット記事等では見かけていましたが、こうして体系的にまとめられている本は持っていなかったので、1冊は手元に置いておきたいところですね。逆に、すでにこういう類の本をお持ちの方はあんまり必要ないんじゃないかなーとは思いました。


 今回はこんな感じです。
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