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【感想】『勉強大全―ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』

読了:伊沢拓司『勉強大全―ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』角川書店、2019年。
www.kadokawa.co.jp


 「東大王」にご出演されていた伊沢拓司氏が書いた本です。発売当初から読んでみたかったのですが、なんだかんだと読まずにここまできてしまいました。

 私は正直「東大王」以前の伊沢氏を知らないのですが、「高校生クイズ」が最初のようですね。そんな彼が「勉強」について書いたということで気なっていました。先に全体的な印象を述べますと、本書は、勉強は勉強でも「大学受験」に焦点を合わせているため、主にそれを目指す高校生がターゲットになっており、非常に砕けた表現が多かったです。私は全然平気でしたが、お硬い内容を期待している方には逆に読みにくいかもしれません。


 さて、内容についてですが、大学受験を控えていない私にとってもなかなか興味深いものとして読むことができました。まず、本書の目的が「まえがき」に書かれています。

 一般的な勉強本というのは、「ノートはこうまとめるのがGood!」「英語の暗記はひたすら唱えなさい!」というような、「手段」の紹介がメインになっているように思います。それはそれで素晴らしい。
 ただ、「手段」には向き不向きがあります。その詳しい理由は本文中第2章で述べていますが、置かれた状況もその時の学力も人によって全然違うのに、同じ方法でまるっと解決! というのは無理があるように思うのです。
 ですから、このような勉強本の使い方というのは、「いろいろ読んでみて、自分にマッチした方法を見つけ出す」ことです。……っていや、それは大変じゃん。
 そう、たくさんの方法を確認し自分にマッチしたものを選び出すには、時間がかかるのです。1冊2冊には到底まとめきれません。どうしましょう。
 そこに僕は、僕なりの解決策を持ち込みます。
「逆に、勉強において、これだけは外してはいけないというポイントをまとめよう」……この「勉強の原理」集こそが、この『勉強大全』です。


 まぁ、そうですね。勉強法って本当に十人十色であって、人によって全然異なると思います。だから、よく本とかテレビとかで紹介されている方法(本書でいう「手段」)はあくまでその1つであって、たった1つではないんですよね。その方法が自分に合えば問題ないけど、合わない場合は早いうちに他の方法を考えないといけないですし……。

 私も受験勉強は経験しましたが、私立大学を目指していたので教科としては3つ(国語(現代文・古文)、英語、世界史)でした。もう今ではだいぶ記憶も薄らいでいますが、1つはっきりと覚えていることは毎日同じ流れで勉強していたことです。朝起きてからは単語のような暗記系のものをやり、長文演習をやり、世界史の問題集、国語の問題集……のように。あとは何時以降は基本的には勉強しない…ってこともやっていた気がします。


 受験勉強の最終的な目的は「大学合格」なわけですが、「大学」についても少し言及されています。

 簡単に言ってしまえば、「大学はあなたのためにはない」のです。


(中略)


 それは「自由」と呼ぶこともできますが、自分の力で得た自由ではありませんから、むしろ僕は「余白」と呼びたいと思います。どう埋めるかは自由だけれど、埋めなければまっ白なままのスペースが、大学の中であなたに与えられるわけです。その余白をどう扱うかを求められる場所が大学だ、と僕は考えています。
「いやいや、そんな厳しいこと言っても……実情とは違うんじゃない?」
とツッコまれてしまうと、たしかにそうです。実際のところの大学はもうちょい甘い場所ですし、僕もその甘さを享受(もしくは甘受、浪費)した人間の一人です。しかし、僕は今、それについて後悔しています。もう少しいろいろとわかった上で入りたかったなと思います。ですから、知らないよりは知っていたほうが良いですし、視野も広がるでしょう。


 これね、大学を卒業してきた方々には結構刺さるんじゃないでしょうか。

 かくいう私も「なぜその大学を選んだのか?」と問われたら自信を持って答えられるか……。一応表向きでは、大学案内パンフレットの行きたかった学科の授業一覧に「これ受けてみたい!!」と思える授業があったから……としていますが、正直大学の響きがカッコよかったって部分が一番の理由かもしれません。
 ただ、実際に入学して、その興味を持てた授業を受けたらとにかく面白く、学部のゼミも、卒業論文もその教授の下で書き、さらには大学院でもその教授の下で過ごしていたので、この大学に入ってよかったと思っていますけどね。


 それはさておき、自分も大学生活を振り返ると「あぁ、もっとこうしておけば…」なんて思い返してしまいますね。特に勉強についてです。本当にもっと時間を有効活用すべきだったと思います。
 1〜2年生の頃は授業も割とギッシリ入っていたのであまり自由時間はなかったかもしれませんが、3年生以降は授業数も減って自由時間は明らかに増えました。夕方以降はアルバイトを週3日くらいでやっていましたが、その分を差し引いても、まぁ、本当にたくさん。
 図書館は自由に使えたし(もちろん勉強スペースもあった。)、大学が都心部にあったので近所には大きな書店もありましたし、自宅にはパソコンもあったので「勉強をする環境」は十分に整っていたと思います。しかし、それを活かしていなかった。実際には、図書館の勉強スペースで居眠りをし、帰宅後はモンスタハンターに明け暮れる日々……。

 うーむ、別にその生活を後悔はしていません。モンハンに明け暮れる毎日も楽しかったし、それでも卒業のためにやることはやっていたからそれなりに勉強はしていたし。ただ、その時間ももっと勉強に回していたら、もう少し知識のストックが増えていたり、違うものの考え方ができる人間になれていたりしたのかなー?なんて思うことがあるくらいです。


 大学生活を終えた私だからこう思いますが、本書のメイン読者である(と想定されている)高校生は、確かに予め「大学」がどういう場所なのかということを自分なりに調べておいた方がいいとは思います。別にそこから「これをやる!」なんて高尚な目標を持つ必要はないと思いますが、自らがこれから足を踏み入れようとしている場所がどんなところなのか……という基本的な知識は必要かな、と。


 なんか途中から大学の話になってしまいました。いやー、他にも色々とチェックしておいた部分がたくさんあるんですけど、全然取り上げられませんでしたね。気になる方は本書をご一読いただければと思います。


 今回はこんな感じです。

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