kmpen148のいろいろ

日常生活の雑感を書き出しています。備忘録的役割。

もう半年も経つのですね

 今日でこのブログを開設して半年が経つようです。メールで「半年が経ちました」ってお知らせが来て、「あぁ、もうそんなに経つのか」って気付いたくらいなんですけども。

 私自身、四度目の正直ではないですけど、ブログに手を出すのはこれで4回目なんですね。

 初めて、そして2回目のブログを開設したのは「Yahooブログ」だったのですが、あれはいつ頃だったのだろう……と思い返してみたところ、全く記憶にありませんでした。
 どれくらい続いたかとかも本当に覚えていなくて、唯一覚えていることといえば、就活関連の話を書いたら、やたらと長ったらしく「今、企業は採用が非常に厳しい状況ですうんたらかんたら」って書き込みされて、「うわ、なんだこいつ」って思ってその人のページに飛んでみたら、就活関連の記事に片っ端から同じような書き込みをしている人だったのでスルーを決め込んだことですかね。おそらく大学3年生の頃だったと思うのですが、それが果たして1回目のことなのか、2回目のことなのかも不明です。

 それ以外にどんなこと書いていたかも覚えていないんですが、まぁ、日常で起こったことを書いていたんだと思います。今では跡形もなく消え去っているので確認の方法がありません。


 その次(3回目)にお世話になったのが「So-netブログ」です。こちらは今でも残しているので、プロフィール欄にリンクを貼ってあります。

 こちらは割と長く続いた方で、2010年12月8日に開始し、2014年1月4日が最終更新日となっております。最後の方は放置気味だったのですが。
 内容としては今と大して変わらず、日常的なことをつらつらと書いているだけでした。特に多かったのが、各期のアニメ感想ですかね。主に記事を書いていたのが大学4年生〜大学院生(2年間)の頃で、深夜アニメを貪るように見ていた時期でもありました。大学で授業を受けている時間とバイトの時間以外はアニメを見ていたんじゃないかってくらい(それいいすぎ)。
 他にもモンハンの記事やプロ野球スピリッツの一軍と二軍を戦わせてみた的な記事などゲームに関することも書いていましたね。

 こうしてなんだかんだ続けていたのですが、就職も決まり、記事の更新が滞ってしまいそのままフェードアウト……という感じでした。


 そして今回。最初の記事でも書きましたが、頭の中のことを文章化したいという欲が大きくなったので、「はてなブログ」を始めたという次第です。

 更新頻度は低めですが、頭の中にあるモヤモヤ的なものを文章化したいとか、気になったニュースの感想とか、読んだ本の感想とか、完全なる自己満足でとりあえず半年続けることができました。
 まぁ、収益目的でもないので変な義務感もないですし、これからものんびーりと続けられればいいかなー。


 今回はこんな感じです。

【感想】『いまさら翼といわれても』

読了:米澤穂信『いまさら翼といわれても』角川文庫、2019年。

 古典部シリーズの最新刊で、今年文庫化されました。早々に購入はしていたのですが、読み始めるタイミングを逃してこの時期になってしまいました。


 私はこの古典部シリーズが大好きなのですが、入りはアニメの「氷菓」からでした。制作会社は京都アニメーションです。アニメに詳しくない方でも、今年の夏、名前を知ることになったと思います。ここでは触れません。

 当時、「氷菓」が放送されていた頃はまだ学生だったのですが、もうね、とにかく1週間の楽しみでした。私の京都アニメーションに対する贔屓目を抜きにしても、作画は綺麗だし、表現も素晴らしいし、大袈裟ではなく本当にその世界に入り込んでいるような感覚になる作品でした。

と、まぁ、こんな感じでしたので、「原作もしっかり読もう!」となり、当時すでに4作品くらいは文庫化されていたので速攻で読み耽った、今となっては懐かしい思い出です。


 さてさて、今作ですが、6話からなる短編集です。
 「わたしたちの伝説の一冊」では伊原摩耶花の未来への第一歩が描かれていたり(久々にあのキャラも登場します。)、「長い休日」では折木奉太郎がモットーである、「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」という考えに辿り着いた理由が過去の回想で描かれていたり、と古典部メンバーの未来や過去に焦点が当てられていましたが、その中でもやはり印象に残ったのは、題名にもなっている「いまさら翼といわれても」でした。

 この章では千反田えるの葛藤が描かれています。
 葛藤の原因は父親から家を継がなくてよいと言われたことです。えるの中ではずっと家を継ぐ前提で生活が進んでおり、過去には後継ぎとしての知識を得るための大学に進学し、最終的には神山の地に戻ってくるという話を奉太郎にもしていました。
 幼少期から刷り込み的な要素があったとしても、「家を継ぐ」ということがある種のアイデンティティとなっていたえるにとって、突然、しかも高校生活も中盤に差し掛かり(本章の時期は高校2年の夏休み)、その将来がそろそろ現実味を帯びてきたという時期に、「継がなくてよい」なんて言われたら、それはもう計り知れないほどの衝撃だったと思います。今までの自分は何だったのだろうか…と。

 閉じた扉の向こうから、ひどく静かな声が届く。
「折木さん」
「聞いてるよ」
「わたし、いまさら自由に生きろって言われても……お前の好きな道を選べって言われても……千反田家のことはなんとかするから考えなくてもいいなんて言われても……」
 次第に自嘲するように変わっていく声は、最後に言った。
「いまさら翼といわれても、困るんです」

 ちなみに、冒頭だけがえる視点で描かれ、それ以降は奉太郎の視点で描かれています。物語の展開上、奉太郎視点なのは仕方のないことだとは思うのですが、える視点からも読んでみたい物語でした。


 今作はえるにとっての転換期となりましたが、今後それがどのように影響してくるのかが非常に楽しみです。
 特に、奉太郎との関係性は読者としても気になるところで、本作の主題が恋愛ではないためあまり大きく取り上げられることはありませんが、奉太郎自身はえるに対して少なからず好意を抱いています。一方のえるは自分のことになると鈍感な部分もあるので、果たしてそれに気付いているかどうかは謎です。とはいえ、この2人はもう熟年夫婦ばりの落ち着きを醸し出しているときもあり、周りもそんな雰囲気を感じ取っているようないないような。

 前述した「いまさら翼といわれても」では、えるを探す場面があるのですが(なぜさがしているのかは是非お読みいただければと思います。)、福部里志は次のように言います。

「千反田さんが見つかることを願ってる。こんな時に手伝えなくて、本当に申し訳ない」
「いや」
 考えがまとまらないまま、俺は咄嗟に、
「後は任せろ」
と言ってしまう。里志は目を見開き、それから少し笑った。
「わかった、任せるよ。……隠れた千反田さんを見つけられるのは、たぶん、ホータローだけだろうしね」

 私の気持ちを代弁してくれたように感じたのですが、まぁ、この辺は人それぞれですかね。この作品に「恋愛要素はいらない!」と思っている方もいるでしょうし。


 この古典部シリーズは高校卒業まではとりあえず続くようなので、今後の展開が非常に楽しみです。

 今回はこんな感じです。

「ソシャゲ離れ」の記事を読んで思ったこと

だそうです。

ソーシャルゲーム」(以下、「ソシャゲ」)はSNSを基盤としてプレイするゲームで、古いものでいうとmixi上で一時期ブームになっていた「サンシャイン牧場」みたいなものです。なので、スマホが流行り出した頃のトップスター的な存在であった「パズル&ドラゴン」(通称:パズドラ)なんかは厳密に言うと「ソシャゲ」ではなく、LINEを基盤としている「ツムツム」の方が「ソシャゲ」の分類になるのかなーなんて思うのですが、正直この辺は曖昧になっているような気がします。

ここでは一括りに「スマホゲーム」と言うことにしておきます。

 20代男性会社員・Aさんは今年の夏まで複数のソシャゲをプレイしていたが、この秋にすべて“引退”したという。


「移動中の暇つぶし感覚で始めたのに、いつの間にか生活のすべてを支配し出したことがやめた大きな理由です。朝起きたらまず複数ゲームを起動して、ログインボーナスを取得し、デイリーやウィークリーのノルマをこなし、イベントがあれば走る。そんな生活の中で、無理がたたったのか、体調を崩して会社を休むようなこともありました。でも、しんどいにもかかわらず、布団の中でもずっとスマホだけは手放せなかった。その時、これはもう完全にソシャゲに支配されているなと気が付き、もっと時間は有効活用すべきだと引退を決意しました」(Aさん)

さすがにスマホゲームで体調を崩す、会社を休むなんてことにはなったことはありませんが、「あぁ、確かにそうなっていたなぁ…」と共感する部分もあります。
私も気になったスマホゲームをいくつか並行してやっていた時期もあり、朝起きたら順番にログインボーナスをもらい、イベントやキャンペーンをチェックし、その中からやっておきたいものを移動時間や昼休みにやっていました。帰宅後も時間を見付けてはプレイする……という感じでした。

それが段々と面倒になってきて「もういいかなー」と思えるゲームを消していくと結局パズドラとツムツムの2つが残っていたんですよね。
この2つだけは今でもプレイしているゲームなのですが、特にパズドラは2013年6月1日に始めてからは1日も欠かさずにログインを続けています。他にメインでやっているゲームがある時期ですら最低限ログインだけは行い、ログインボーナスをもらっていました。
一方のツムツムは特にログインボーナスもないし(たまに期間限定であるけど)、興味ないキャラクターのイベントの時期は開かないこともあります。

 30代男性会社員・Bさんは、ソシャゲでゲームを有利に進められるアイテムやキャラクターを入手するために課金するガチャにハマった。だが、「息切れ」を感じたため、ソシャゲをやめた。


「婚約してお金を貯めなければならないと思っているのに、月5万~10万円の課金が止められませんでした。たとえるなら、終わりがないマラソンみたいな感じで、ずっと走っているイメージ。


 課金しないと追い抜かれることに焦り、性能インフレのせいで初期キャラが使えなくなることに涙し、人権キャラ(ゲームを進める上で持っていることが大前提とされるほど重要なキャラ)をガチャで入手できないとついていけなくなり、脱落もしくは苦労することになる……。そんな状況に息切れしはじめていました。

正直よく分からない感覚なのですが、おそらく私の経験から出来上がった、「ゲーム」に対するスタンスもあるのかもしれません。私が初めて「ゲーム」を手にしたのはゲームボーイでしたし、DSが出てくるまでは今みたいに常時オンラインに繋がって他のユーザーの情報が見られるということもなかったし(だから他人を気にする必要がなかった)、そもそもソフトそのものは「買い切り」でした。
強くなるためには「課金」ではなく「レベル上げ」です。三日三晩レベル上げに費やす、なんてこともありました。

そんな経験が蓄積されているからなのか、ゲームに「課金する」ということにどうも抵抗があるんですよね。だから、今までやったスマホゲームには課金したことがありません。別に胸を張ることではないですが、無課金だったからこそ飽きたらスパッとやめられたのかもしれません。

冒頭の記事では「引退」したユーザーの声が紹介されているだけで、実際にどの程度のユーザーが「ソシャゲ離れ」しているのかが数値的に示されていないので真偽は定かではありませんが、生活に支障が出るくらいなら早いうちに「引退」した方が良いのは確かだし、結局何事もバランスが大事だよなー、と月並みなことを思った次第です。

今回はここまでにしておきます。

2020年の巨人について語る〜背番号変更について〜

巨人が新たな助っ人外国人、チアゴ・ビエイラを獲得したようですね。

最速167km/hとのことですが、コントロールはかなり不安がありそうな前評判です。まぁ……先日引退表明したマシソンも当初はコントロールやクイックがひどすぎたのを豊田コーチ(当時)が指導した結果、長年ブルペンを支える選手になりましたから、蓋を開けてみないと分からないといったところでしょうか。

さてさて、現在プロ野球はオフシーズン真っ只中ですが、この時期の楽しみはFAを含む移籍情報や契約更改でしょうか。ここに私は密かな楽しみとして、「背番号の変更」があります。「活躍したあの選手は何番になるのか」「移籍してきたあの選手は何番になるのか」などなど。


私のことなので巨人中心の話になってしまうのですが、巨人は昨オフに大量の背番号入れ替えを行いました。
主な選手で、菅野智之19➝18、上原浩治11➝19、山口俊42➝11、石川慎吾49➝36、吉川大幾68➝00など。
元々、原監督が背番号に対するイメージを重要視する方なので、例えば山口や石川の場合は、変更前背番号が助っ人外国人選手が背負う番号のイメージということで変更に至っています。そして今オフもすでに背番号変更の情報がちらほらと出てきているので、いくつか取り上げてみます。

 原監督は背番号について「0はスーパーサブのような選手だから」と話していた。今回の変更にはレギュラーを目指せ、という期待のメッセージが込められている。

私の中では0は川相昌弘の印象が強いのでレギュラー選手というイメージだったのですが、確かに原監督時代には木村拓也藤村大介といったスーパーサブのような選手が着けていましたね。一方の29は投手という印象が強いのですが、助っ人のバーフィールドも背負ったことがある番号ということで、来年こそはぜひとも野手のイメージも植え付けるような活躍をしてもらいたいものです。

ちなみに、空いた0はそれこそ今シーズンは「スーパーサブ」として活躍し、優勝を決める決勝打を放った増田大輝が着けることになりました。

次に、他球団でも共通だと思うのですが、若手が一定の活躍をした際には今の背番号よりも若い番号や実績のある選手と同じ番号へ変更させることもあります。


まさかドラフト1位の髙橋優貴まで変更するとは思いませんでしたが、巨人の一時代を築いたエース内海と同じ左腕ということで、かなりの期待が込められているのでしょう。

また、若林が来年から背負う番号のように「出世番号」と言われる番号が各球団にあると思うのですが、これにはもう一歩飛躍してほしい若手に与えられることがあります。篠塚和典は37➝6、元木大介は37➝2といずれも成績を残して一桁の背番号を勝ち取っているので、若林もここからさらに活躍してほしいですね。
ところで、私がプロ野球を見始めた頃はすでに元木の背番号が2だったので、この情報を見るまで37だったことすら知りませんでした。

なお、37以外にも35も巨人の「出世番号」であり、過去には清水隆行亀井善行西村健太朗が着けていました。今シーズンからは桜井俊貴が着けていますが、プロ初勝利を含む8勝をマークして、飛躍した年になりました。


一方で不本意な成績が続くと現在の番号よりも大きい番号へ変更させることもあります。

過去に開幕投手を務めたこともある宮國椋丞ですが、ここ数年は不本意な成績が続いているために背番号変更になってしまいました。将来のエース候補と言われていましたが、来年は入団から10年目を迎えるので成績を残せないとそろそろ……という瀬戸際かなぁ、という感じです。

そして、その空いた30は今シーズン途中に日本ハムからトレードで移籍してきた鍵谷陽平が背負うことになりました。

 背番号「30」については「ファイターズの時も着けていて球団の方から『愛着はあるか』と聞かれたので、はいと答えました。

愛着ある番号への変更というパターンもあります。これは特に移籍してきた選手に見られる傾向かなーと思います。楽天へ移籍した鈴木大地もロッテ時代と同じ背番号7を背負うことになりましたね。

今季、7番をつけたドラ1の辰己は、球団から8番への変更を打診され、快諾。わずか1年で背番号変更となった。

これには賛否両論あるみたいですが、球団側もそれだけ背番号は大切だと認識しているということなのでしょうか。
ちなみに、巨人も最近似たようなことをしています。

この時点ではパーラ獲得については未発表ということもあり、すでに一度決めていた背番号の急な変更だったので謎めいた部分もありましたが、これはパーラ獲得の算段がついたため、メジャーでも背負っていた88を用意したということでしょう。


この他にも、球団のスターと言えるような選手のイメージが出来上がってる番号もあります。巨人だと55(松井秀喜)、10(阿部慎之助)、24(高橋由伸)あたりでしょうか。55は一度、松井と同じような選手になってほしいという期待から大田泰示に与えられましたが、結局芽が出ずに数年後には44へ変更、そして日本ハムへトレードされるという結果になってしまいました。
24は来年から大城卓三が背負うことになりましたが、今シーズンは助っ人のクックにあっさりと与えてしまったことで批判されていた記憶もあります。


2年連続で大量に背番号変更があることについては反対意見も結構見受けられますが、背番号にはこのように選手自身の思いや球団の期待が込められている大切なものだと思っています。しかし、成績を全然残していない選手が「その番号が好きだから来年から背負わせてほしい」と言ったところで、当然その通りにはならないものなので「勝ち取ってやる!」みたいなモチベーションにもなるのではないでしょうか。

今回はこんな感じです。

【感想】『温室デイズ』

読了:瀬尾まいこ『温室デイズ』角川文庫、2009年(電子書籍:Doly)。

温室デイズ (角川文庫)

温室デイズ (角川文庫)


久々に読み返しました。他に読み途中の本があるのですが、なんだか急に読みたくなったんですよね。しかも、自宅に文庫本があるにもかかわらず、電子書籍を購入しました。

「好きな小説を3つ挙げて」と問われれば、この『温室デイズ』はその1つに入るのですが、もうずっと読んでいなかったので内容はほとんど覚えていませんでした。初めて読んだのは大学1年か2年の頃だったと思います。それ以降、人からおすすめの本を聞かれた際には必ずこの作品を挙げていました。まぁ、実際に読んでもらえたのかどうかは知りませんが。

また、瀬尾まいこ氏は私の好きな作家さんの1人、というより一番好きな作家さんです。瀬尾氏自身が元国語の教師ということもあって文章が非常に綺麗で整っているため、頭の中にすーっと入ってきて、ストンとはまり込む感じが魅力だと思っています。

 教室に紙飛行機が飛びはじめる。保健便りやPTA総会のお知らせが、親元に届くことなく折り紙になっていく。押しピンを投げて壁に刺すという遊びが流行りだす。そのうち、押しピンは教室の壁だけじゃなく、天井にも刺さり、廊下の床にも散らばりだす。禁止されているのに、自転車登校の生徒がちらほら出てくる。
 始まりの合図だ。もうすぐ崩れだす。この兆しを見逃すとだめだ。今なら簡単に元に戻せる。だけど、今手を打たないと、取り返しがつかないことになる。この後は割と速い。元に戻すのには半年以上かかるけど、崩すのには二週間とかからない。

物語の冒頭ですが、題名との温度差を初っ端から叩き付けられたような感じです。表紙の絵柄から「温室=学校」ということは何となく想像できたのですが、もっと暖かいハートフルな物語なのかと勝手に想像していただけに、いきなり学級崩壊を予感させるような冒頭。ということはおそらく「いじめ」もあるんだろう……と。


本作は交互に登場人物である「みちる」と「優子」の視点で語られていきますが、簡単に言ってしまうと、「学級崩壊」「いじめ」がテーマの物語です。

2人が通う宮前中学校では徐々に学級崩壊が進んでいました。窓は割られ、教師の車は傷付けられ……そんな中であることがきっかけで優子が一部の女子から嫌がらせを受けるようになります。それに怒りを感じたみちるは終礼でこんなことを言います。

「あの、私がこんなこと言うのも、何か変なんだけど、今、この学校ってちょっとやばいって思うんです。来週には文化祭だし、そろそろうちらのクラスだけでも、ちゃんとしたらいいんじゃないかなって気がするんです。なんていうか、もう少しまともな感じになるっていうか。中学校最後の文化祭はやっぱり成功させたいし、クラスに困っている人がいるのも嫌だし、みんながちょっとがんばったら、きっとなんとかできるんじゃないかなって」

しかし、それを間近で見ていた優子は次のような心境でした。

 絶望的だ。私はみちるを見られなかった。こんなの最悪なやり方だ。みんなの前で公言してしまったら、逃げ道がない。私が一部の女子に嫌がらせを受けるのとはわけが違う。みちるは本当にばかだ。田中先生だって、そう思ってる。だから、みちるが正しいことを言ってるのにもかかわらず、困った顔をして「まあそうだな」としか言わないのだ。

ここに至るまでは明確な「いじめ」はなかったようですが、学校のあらゆるものが壊されていたため、そろそろ対象が「人」になるのではないかと危惧する描写もありました。おそらくそういう状況もある中で、みちるの発言が引き金となってしまったのでしょう。
そしてここからみちるへのいじめが始まっていきます……。

 翌日からはお決まりのパターンで進んでいった。いじめにはある種の型があるのか、同じことが繰り返される。
 みちるの教科書がなくなる。授業が終わった後、出てくる。みちるの持ち物がつぶされ、みちるに物がぶつけられる。休み時間にはわざとらしく、男子がみちるにぶつかり、押し倒される。みちるは何の反応も見せずに、それらに対処していた。
 不良がやることには加担していなかった普通の生徒たちも、いじめには参加する。いじめは単純に楽しいし、内申にだって響かない。そのせいで、みちるは休憩する間もなかった。いつも誰かから嫌がらせを受けていた。
(中略)
 みちるが信頼している田中先生だって、当てにならない。みちるが一人で教室掃除をしていても、何も言わない。今、みちるに手を貸すと、面倒なことになる。先生だってわかっているのだ。
 私は、何度かみちるに声をかけようとした。一緒に隠されたものを捜そうとした。だけど、実行できなかった。みちるが助けを求めてこないのをいいことに、何もできなかった。

こうした一連の流れにある種の生々しさを感じるのですが、それらをみちる本人の視点ではなく、優子の視点から淡々と語らせているからということもあるのかな。

こうして連日みちるへのいじめは続くのですが、助けたくても助けられない優子はそのことで気が病んでしまい、教室に行かなくなり、保健室登校に、そしてそれもやめて母親が勧めた「学びの部屋」というフリースクールやカウンセリングに通うようになります。

一方のみちるは、いじめに耐えながら毎日登校を続けていました。私が初めてこの作品を読んだ際に考えさせられた場面があるのですが、ある時のみちると臨時教員の吉川先生との会話です。

「もうさ、学校なんて来なきゃいいのに」
「へ?」
「もう、学校なんか来なくたっていいのに」
「どうして? どうしてそんなこと言うの?」
 吉川の言葉に私は驚いて振り返った。
「そんなにつらくて悲しいんだったら、やめてもいいんじゃないかなって思う」
「やめるって何を?」
「何をって、学校とか、教室行くのとかさ」
 吉川は頼りない口調で言った。
「どうしてみんなそんなこと言うのよ」
「え?」
「どうしてみんなそんな風に言うの? 優子も先生も、教室行かなくたっていいって。学校なんて休めばいいって。どうして? だって、私何も悪いことしてないんだよ。病気にもなってない。なのに、どうして教室に行くの、放棄しなくちゃいけないの? どうして普通に教室に行けないの?」
 私の声はしんとした校舎に大きく響いた。
「そんなにひどい目に遭わされるんだったら、無理しなくてもいいんじゃないかなって思っただけだよ」
 吉川は静かな声で言った。
「そういうの、すごく変だよ。学校に行かなくても大丈夫なようにするのが先生なの? つらいことがあったら、逃げ場を作ってあげるのが先生たちの仕事なの? そんなんじゃなくて、ちゃんとみんなが普通に教室で過ごせるようにしてよ。私は、先生に教室に行こうよって言ってほしい。ちゃんと学校に来いよって言ってほしい」

長くてすいません。でも、これは考えさせられました。
私は学校なんていざとなったら逃げたって構わないと思っています。思い詰めて精神的に病んだり、最悪の場合自殺したりしてしまうくらいなら行かなければいい、むしろ、なぜそうしないのだろうか、と。
ただ、これは自分がみちるのような立場になったことがないからそう思っていたんだな…って気付かされました。一応、何不自由なく学校生活を送れていたので、そもそも「逃げよう」なんて思ったことはありませんでした。

「いじめ」さえなければ学校に行きたい。なのに、その「いじめ」を取り除こうとするのではなく、「休んでいいんだよ」と逃げ道を示す先生……。
子供にとって「学校」は家庭以外では唯一の生活の場で、良くも悪くもそこに固執せざるを得ないのだと思います。大人であれば今いる職場が嫌なら自分の意志で転職することができます。しかし、子供は自分の意志だけではどうにもならないことがあります。だからこそ周りは言葉だけでなく、場所としての「逃げ道」を作ってあげることが大切だとは思うんですけどね…。

物語の終盤ではみちるが「学校」のことをこんな風に言っています。

 教師の言うように中学校は温室かもしれない。どれだけひどい行動をしようとも、学校の枠から外れても、私たちは学校に守られている。ドロップアウトしたって、次のクッションを与えてくれる。でも、決して居心地がいいわけじゃない。どんな状態であろうとも、望もうが望まなかろうが、この空間で毎日を送るしかないのだ。本気で自分から断ち切らない限り、この温室で生活するのが私たちの日々なのだ。

「温室」って何とも言えない表現だなぁ、と。

最終的には優子が学校に来るようになったこと以外はほとんど何も変わらないので、到底ハッピーエンドとは言えない作品です。しかし、決して後味の悪い話でもないかなー、と私は思いました。

ところで、「いじめられてもそれに耐えて学校に行くみちる」と「助けたいのに何一つできないことが辛くて学校に行くのをやめた優子」、もっと簡単に言うと「逃げなかったみちる」と「逃げた優子」とでうまく対比されていますが、この背景には彼女たちの小学校時代の経験があります。

実はこの2人、小学校時代にも学級崩壊を経験しています。その際は、優子がいじめにあっていて、みちるはむしろいじめる側でした。それなのになぜ中学校で友達になっているのか……ということについては割愛させていただきます。
この辺の事情も知ると彼女たちの行動の根幹部分が分かると思いますので、ぜひお読みいただければなぁ、と思う次第です。ここまでネタバレ満載で書いてきましたが。


今回はこんな感じです。

FA移籍前後の球団所属年数に関する集計

先日、FA宣言していた美馬選手と鈴木大地選手にお断りされて、7年ぶりにFA補強なしとなった巨人ですが、早速バリバリのメジャーリーガーであるジェラルド・パーラ選手と契約を結び、着々と来季への補強を進めています。


さて、今回はシーズンオフに毎年何かと話題になる「FA」について、自分の考えをまとめる意味でもつらつらと書いていきたいと思います。なお、以降は敬称略とさせていただきます。

巨人はここ3年だけを見ても、2016年オフには山口俊、陽岱鋼森福允彦の3人、2017年オフには野上亮磨、2018年オフには丸佳浩炭谷銀仁朗の2人とFA市場に参戦して選手を獲得してきました。
その度に「強奪だー」「金満だー」「欲しい欲しい病だー」なんてもはや悪者のような扱いを受けるという一連の流れを「あぁ、今年も始まったなぁ」なんてコタツで温かいお茶を飲みながら観察していました。

しかし、その一方で、FA移籍を決意した選手に対しても心無い批判が多く、昨年で言えば丸が移籍か残留かで悩んだ結果巨人を選んだことに対して、ネットでは「やっぱり金か」とか「悩んでいるのは演技でしたね」とかそりゃもう酷かったですよ。

私としては「そりゃーお金は大事でしょ」(昔、「おかねはだいじだよー♪」なんて歌っているCMがありましたね。)と思うのですが、プロ野球選手は「ファン」というある意味特殊な存在がいるので一般のビジネスマンのように率直に「給料の高い会社に転職します!」なんて言えないんだろうなぁ……と。

極端な例かもしれませんが、今いる会社でそれなりの仕事を任されていて上司からも評価されているにもかかわらず、経営難だから月15万円の給料しかもらえていなかったところに、別の会社から「あなたを評価しているので今よりも重要な仕事を任せたい。給料も今の3倍の月45万円を出しますよ。」なんて条件を出されたら、心が動くと思うんですけどね。

その一方で、よく「チーム愛」を理由に「このチームを離れることは考えられない」と残留を決める選手も多いですが、それはそれで日本の文化らしくて非常に素晴らしいことだと思っています。ただ、それと同じように「お金」が理由でも良いのではないでしょうか。というか、「優勝争いがしたい」とか「地元でプレイしたい」とか移籍したい理由なんて別に何でも良くて、選手の人生なのだからその決断に外野がとやかく言うこともないよなぁ、と常々感じてはいます。

そもそもFA権は選手がそれまで一定の活躍をしてきたからこそ取得できるもので、選手にとっては栄誉みたいなもののはずです。だから、本来はもっと明るい話題だと思うんだけどなぁ…。これは私がネットばかりで情報を見ているからそういう批判のような声についつい目が行ってしまうというのもあるかもしれませんが。


ところで、移籍を決断した選手にとっては基本的にはそれまで以上の活躍が求められている一方で、年齢的には徐々に体力等が衰え始める30歳前後、時には30歳半ばであることが多いので、非常にハードな面もあります。

FA権の取得には「出場選手登録(一軍登録)」の日数が一定以上必要で、FA制度設立から二度ほど改正があり、現行制度では高卒が8年、大卒・社会人卒が7年で国内FA権、一律9年で海外FA権を取得することができます。
しかし、これはあくまで最短の年数なので、実際には10年近くかけて取得するということが多いように思えます。

と、まぁ、印象だけで語るのもあれなので、この年数については自分なりに集計してみたことも交えながらお話しします。


集計した主なものは「FA移籍前の球団所属年数」(複数所属及び宣言残留の場合は合算)と「FA移籍後の球団所属年数」で、FA移籍を2回している選手はそれぞれ独立させて集計し、国内移籍のみを対象としました。
ちなみに、参考にしたのはWikipediaです。

国内移籍をした選手の延べ人数は93人で、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11.7年でした。その中で10年以上所属していた選手は75人もいます。ただし、過去に宣言残留している選手や取得しているFA権を行使せずに持ち越している選手の年数も合算しているため、必ずしもFA権初取得までの年数というわけではありません。

そして、「FA移籍後の球団所属年数」の平均年数ですが、現役選手及び戦力外未所属選手(引退表明していない選手)を除くと約4.3年でした。まぁ、その除いた選手を含めても約4.1年なのでそんなに変わらないです。

こうしてFA移籍前後の球団所属平均年数だけを見ても、FA移籍後の球団には移籍前の球団の半分の年数も所属していないことになります。
なお、半数年以上の所属をしていた選手は延べ24人でしたが、例としては駒田徳広(巨人13年→横浜7年)、和田一浩(西武11年→中日8年)、内川聖一(横浜10年→ソフトバンク9年)などが挙げられ、唯一谷繁元信だけは横浜13年→中日14年と移籍後の所属年数が移籍前の所属年数を上回っています(しかも一度宣言残留をしている上での移籍なので余計にすごい!)。
逆に、金村義明近鉄13年→中日2年)、若田部健一ダイエー11年→横浜3年)、門倉健(中日など11年→巨人2年)など移籍後の球団に数年しか所属しなかった選手も多くいます。

データ化してみても分かるように、FA移籍するまでに11年以上(多いと19年という例もあります。)が経過しており、やはり移籍をする頃には30歳前後となります。もし社会人卒であれば30代半ばということも。
なお、現行制度になった2008年以降に絞ってみても、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11.3年で、やはりFA移籍するまでに11年近くを要していることになり、30歳前後での移籍が多くなっているのが現状です。

今オフで引く手数多状態の福田秀平も高卒ではありますが、入団から数年はほとんど一軍登録がなかったため、13年かけてやっと取得したという状況です。

現状のFA制度の是非や選手間の評判的にはどうなのかは分かりませんが、私としては移籍そのものはもっと活性化してもいいと思っているくらいなので、取得までの年数や条件をもう少し緩和するのもありなのかなー、と。特に大卒・社会人卒は高卒の選手よりも4年くらい遅れて入団することになるので、取得までの年数を5〜6年に短縮してもいいのかな……なんて思うんですけどね。

今回の話をまとめますと、

①FA移籍の理由なんて何でもいいよね。
②FAは選手の栄誉みたいなものだから明るい話題であってほしい。
③でも、「FA移籍前の球団所属年数」の平均年数は約11年で、30歳前後、時には30代半ばでの移籍が多い。
④30歳を越えると徐々に体力等衰えていくから、移籍前以上の成績を残すのはなかなか大変そうだなぁ。

ということになります。


もちろん、順調にFA権を取得しても行使せずに何年か持ち越した上で行使しているパターンも多くあるので、必ずしも11〜13年目でFA権初取得という選手ばかりではありません。そういう例が移籍前の平均年数を押し上げているという状況もあるかもしれません。
この辺については集計しきれなかった部分ではあるので引き続き細かく集計してみたいとは思いますが、ひとまず今回の集計を通じて、FA移籍前後の球団所属年数の傾向はなんとなーく読み取れたかと思っています。


最後に1つだけ添えておきたいことは、今回はあくまで「年数」に焦点を当てて集計しただけなので、「移籍後の所属年数が短い=成績不振」とまでは言えません。これについてもまた自分なりに集計してみたいなーと思っています。


今回はこんな感じです。

ファミリーマートでのポイント問題


とうとう始まりますね。今までは「Tポイント」しか利用できなかったファミリーマートですが、この他に楽天スーパーポイント(以下、「楽天ポイント」)と「dポイント」も使えるようになります。
(以降、めんどいので「 」は取ります。)
この3つのポイントが使えるってなるとどれくらいの割合で分かれるのでしょうか。ちょっと興味あります。


私はコンビニの中ではファミリーマートが一番好きで、結構優先的に利用してきたし、その際には必ずTポイントカードの提示をしていました。
そのTポイントは言わずと知れた共通ポイントですが、最近は離脱する企業もちょこちょこ出てきて下降気味な印象です。

 三越伊勢丹グループ、ドトールコーヒー、ヤフーの通販サイト……。業界を代表する有名企業が次々とTポイントから離脱したり、離脱を表明したりしています。Tポイント陣営の代表格とされるファミリマートのように、利用者がTポイント以外のポイントも選べる「マルチポイント」にシフトする企業も現れるなど、関係者の間では「盤石に見えたTポイント経済圏が崩れるのではないか」と話題になっています。

ファミリーマートがこうしてマルチポイント化したことはTポイントにとってはなかなかな打撃なのではないかと思うのですが、では、消費者としては果たしてどのポイントを利用するのがよいのか……。

これはもう「個人の生活状況による」としか言えないと思いますが、ドコモユーザーであればdポイントを貯めていることが多いと思うのであまり悩むことはないかなー、と。
ドコモユーザーでもなく、dポイントも貯めていないという方々は、「楽天ポイントに切り替える」もしくは「Tポイントを継続して使う」のどちらかになります。

ここで私の状況としては、以前の記事でも何回か取り上げてきましたが、私の日常生活における三大ポイントというものがありまして、その中の1つが楽天ポイントです(優先度は一番低いですが)。ということはやはり、今後はファミリーマートで利用するポイントを楽天ポイントに切り替えた方が良いかなぁ、と。また、私の生活圏内では楽天ポイントは利用できるところが結構多いのですが、Tポイントはファミリーマートくらいしかないというのも1つの要因です。


ただ、Tポイントも完全に利用しなくなるということではなく、「レシーカ」というアプリで毎日ほぼ3ポイントずつ貯めている状況です。

「レシーカ」の詳細については公式ホームページをご覧いただき、ここではざっくりな説明だけしておきます。
月初めの4日間はレシートのみの登録で、5日目からはレシート登録1枚につき1ポイント、1日3枚(3ポイント)までという仕組みになっています。さらに、月20日以上レシートを登録するとボーナスポイント(ゴールドランクで30ポイント)がもらえます。

単純計算で、

レシート登録によるポイント→25日×3ポイント=75ポイント
ボーナスポイント→30ポイント(ゴールドランク)

の月105ポイント程度はもらうことができます。
ただ、ボーナスポイントをもらうためには「レシート登録の日数」が大切なので、買い物が少ない時期は敢えて1日1枚だけしか登録をしないなど、なるべく日数を稼げるような調整は必要になることもあります。

このようなことをしているので、Tポイントも地味に貯まり続けておりまして、逆に使い道に悩んでいるという……。
ちなみにこの「レシーカ」は5月終盤から始めてみて、実績はこんな感じになっています。

レシートさえあれば毎日1〜3ポイントは貯まり続けていくので、結構バカにできないんですよね。まぁ、それこそ貯まったポイントをファミマで使えばいいのでしょうけど……。
んー、いずれにしろ私の生活状況だと、Tポイントはこの「レシーカ」アプリが終わったらいよいよ役目を終えてしまうかもしれませんね。


さて、まとめますと、

①今後はファミリーマートで「楽天ポイント」を利用する
②Tポイントは「レシーカ」アプリが続く限り貯めていくが、使い道迷子

といったところです。


ぐだぐだ書きましたが、今回はこんな感じです。